制作編では同じように洋裁を始めようと思った方に向けての紹介も挟んでいきます。
シャツを作ろう
女性アイドルの衣装を男性が着れるようにするとどういう形になるんだろう。女性アイドルグループの衣装はワンピースが多いです(早替えの利点もあると思う)。男性アイドルグループの衣装だとスーツスタイルが多いと思います。でもいきなりスーツは作れる気がしません。作ろうとしていたキュンの衣装は薄手のワンピースだったので、これをそのままメンズに落とし込むならシャツじゃないかと考えました。
準備
僕は洋裁は全くのド素人です。ボタンを付けるぐらいの簡素な裁縫キットが収納のはるか奥に眠っているくらいで当然ミシンも持っていません。そのため、まずメルカリでそこそこ新しそうなモデルで安いものを探して4000円でミシンを調達しました。

次に、メンズシャツの洋裁本を用意しました。ネットを調べたところ初心者にはこの本が良いということだったので買ってみました。
パターン(服の設計図みたいなもの)が付属しているのでそのとおりに布を裁断してパーツを作ります。こちらの本はシャツを縫う手順が親切に説明されているのでオススメできます。
それでも初心者からしたらわからない部分も多いので、ネットを探して以下のサイトを参考にしました。動画があってわかりやすいです。(プロの作業スピードに惚れ惚れします。)
今回作ろうとしていたキュンの衣装は市販の布ではないので自分でデザインして布から作る必要がありました。Adobe Illustratorを導入して1から勉強しましたが簡単な柄だったので割とすぐできました。

デザインを作ったら次はそのデザインを布にプリントしてもらえる業者を探します。いろんなサービスを検討しましたがこちらの業者さんを使いました。
納期も短めで布の種類もまずまず、リーズナブルでなにより親切です。初めてイラレを使ったので入稿したデザインに少しズレみたいのものがあったのですがそこを見つけて連絡をいれてくださいました。おかげで修正してキレイな布を作っていただくことができました。画面上と実物は色味が異なるので必ず色見本を事前に請求して色を確認してから発注しましょう。

洋裁開始
0からのスタートだったので準備に時間がかかりましたが無事に全ての道具と材料が揃ったのでいよいよ洋裁が始まります。
布をパターン通りに裁断して本のとおりに縫うだけです。と言っても柄物を裁断する時は縫い合わせた時の柄の位置関係が不自然にならないように裁つ必要があるので結構頭を使います。今回はできるだけ衣装と近い配置になるように裁ちました。

わからなくて詰まるところやミシンワークがうまくいかなくて変なところを縫っちゃったりしましたが時間をかけてなんとか形にしました。2日くらいぶっ続けでやってた気がします。こんなに熱中したのは久しぶりでした。

握手会へ
いよいよ作ったシャツを着て握手会に行きます。キュンの全国握手会だったのでメンバーも衣装を着ています。僕は衣装に寄せるためにベストと白パンツを着用しました。

列に並ぶ間も後ろの人が「シャツって売ってないよね。作ったんかな?」と会話しているのが聞こえてきて恥ずかしかったり得意げだったりするのが顔に出ないように必死でした笑
いよいよメンバーと握手です。ちなみに僕はこの時そもそも握手会自体2回目だったので結構緊張してました。服に気づいてメンバーの顔がパッと明るくなります。
「見ておそろい~」
「えっこれ買ったん?」
「いや、作った!」
「すごーーい!!」
やりました。アイドルに褒めてもらいたい!という僕の願望が叶った瞬間です。ブースから出てきた僕はニッコニコだったと思います。でもだいたいのオタクが似たような感じで出てくるので気にしません。
その後
当初の目的を果たした僕ですが、それからも機会があれば洋裁をしています。衣装を模したものも作りたいですが、衣装によってはメンズに落とし込むのが難しかったりするので、ライブ用に普段着ぽいけど見る人が見たらわかるシャツとかも作りました。その紹介はこちら。
おわりに
フツーの学生だった僕がアイドルにハマってシャツを作り始めるお話でした。何がきっかけで未来が変わるか本当にわかりません。日向坂のキャプテン佐々木久美もブログで「小さな糸口から興味を持ってみることは 大切なことだと気づきました 」と綴っています。
何かに興味を持ったときに過去や現在は関係なく素直にその興味を追い続けてみるときっと楽しいですよ。難しいと勝手に頭で思っていたものも案外できちゃうもんです。